英語と、ケルトの楽曲が得意なVOCALOID3「AVANNA」が発売されました。
少しややこしいので、説明を書くと、この「AVANNA」は、海外でのVOCALOIDのメーカーで有名なZERO-GというイギリスのメーカーのVOCALOIDです。
VOCALOIDというメインシステムは、日本のYAMAHAが開発しましたが、実際の声を当てるのは、このYAMAHAのVOCALOIDシステムとは別に、いろいろなメーカーで開発されています。
当然、外国では、英語の発音など、日本のVOCALOIDとは別の音源が必要になるわけで、声を当てる人が外人である必要性が高いわけです。
それで、初代のVOCALOID1時代から、海外のVOCALOID製品は、このZERO-G社が作っているものが多いわけです。
ZERO-G社のVOCALOIDシリーズとしては、(LEON), (LOLA), (MIRIAM), (PRIMA), (SONIKA), (TONIO), (AVANNA)と、海外では、けっこうたくさん出ていますが、日本では、あまり有名ではない為に、音楽をやっている人意外では、あまり知られていないのですが、最新版の「AVANNA」は、日本では、クリプトンから買えるようです。
ホームページで、デモ曲が聴けるのですが、日本のVOCALOIDでは、不得意だった英語の歌詞を、ほとんど実際の外人の女性歌手のように、綺麗に歌えます。
ZERO-G社の製品では、海外のメーカーなので、あまりキャラクターを付けてこなかったのですが、日本の初音ミクの世界的な大ブレイクなどの影響で、最近では、キャラクターを付けるようになってきて、「AVANNA」の場合には、ケルト、アイルランド風の衣装と、イメージの中心模様は、シャムロック(Shamrock)というクローバーです。
日本では、四つ葉のクローバーの方が有名ですが、キリスト教圏では、三位一体から、数字の「3」が特殊な意味を持つので、シャムロック(Shamrock)の場合には、「三つ葉のクローバー」のようですが、クローバーが、イメージの中心にあるので、四つ葉のクローバーも含めていいように思います。
(VOCALOID3「AVANNA」の使い方)
VOCALOID3「AVANNA」の使い方としては、英語の楽曲や発音が得意なのですが、楽曲制作時に、日本のVOCALOIDと違う所は、「発音記号による入力」が、かなりメインになる事です。
まず、英語で歌詞を書いたら、英語辞典を引っ張り出してきて、出来上がった英語の歌詞の下に、発音記号をふっていきます。
この発音記号を的確に選んでいくと、かなり、スムーズな英語の歌詞を歌ったり、英語などの外国語で話させる事が、今までの日本のVOCALOIDよりも、かなりできます。
個人的には、外人の歌手で、サイバーな楽曲が得意であったり、電子楽曲的な音楽制作手法で、勉強になりそうな所では、
・Origa(オリガ)
ロシア人の歌手で、攻殻機動隊のオープニング曲を歌っている。
非常に、透き通った声の持ち主で、不思議な声の魅力があり、サイバーな雰囲気を持っている。
・菅野よう子
同じく、攻殻機動隊のオープニング曲を作った人で、他の人では作れないような不思議な世界感の音楽で、サイバーな楽曲が得意。
・エンヤ(Enya)
アイルランド人歌手で、まるで、天国の歌声のような非常に、澄み切った楽曲が得意で、他の人では、真似が不可能な独特の世界感を持った楽曲が得意。
クラシックや、教会音楽を基礎にして、もともと、澄み切った歌声の持ち主であるが、ここに、電子楽曲の音楽制作手法を混ぜて、自分自身の声を、何重にも、重ね合わせて、非常に、澄み切った天国の歌声のような独特な世界感の音楽を作り出す事に成功した。
・ビョーク(Björk)
とても珍しい、アイスランドの歌手で、電子楽曲や、まったく新しい電子楽器などを使った曲が多い。
こういった非常に、独特な世界感の楽曲が得意な歌手の多くは、「人間の声は、楽器の一種だと考えて、発声している」と、だいたい言うのですが、なるほどなぁと思いました。
自分が思うには、こういった不思議な世界感を作れる人達は、神話時代からの伝統的な何かの音楽の特性を受け継いでいる気がするのですが、本来の音楽というものは、非常に古い時代には、口承伝承で神話が語られてきたわけですが、例えば、北欧神話などで、「エッダ」とか、「巫女の予言」からスタートしますが、音楽、詩人、歌姫などは、「文章や、声を編み込んでいく」といった所に、音楽の本質が、本来はあるようなのですが、現在の私達の音楽では、リズムや音符だけがメインになってしまっていて、古代の時代の歌姫や、詩人のしていた頃の時とは、本質的に、何かが欠けてしまっているような気がするのです。
アイスランドというのは、北欧神話の舞台で、ケルトというのも、古い神話時代の、さらに古い根源にいくと、北欧神話や、ケルト神話といった所になるようですが、マイナーなので、あまり知られていないわけです。
個人的には、北欧神話が好きなのですが、こういった所で、おそらく自分の関心が向いているのだろうなぁと思います。
「音楽の本質とは何か?」というと、おそらく、そういった神話時代の歌姫などの「文章や、声を編み込んでいく」といった所になっていくようです。
という感じで、ここら辺の楽曲や、電子楽曲の制作手法を参考にすると、VOCALOID3「AVANNA」は、本領を発揮しそうです。
(VOCALOID3「AVANNA」)(ZERO-G、クリプトン)
http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=36921